千年前の歌を感じた、雲隠れのマッターホルン

雲隠れの夕焼けマッターホルン 海外旅行

こんにちは!YMSでロンドン暮らし中の栞です。

前回は、北イタリアでの夏休みについて執筆しました。

今回はその続き、マッターホルン in 曇りのツェルマット編

山のふもとで育った私は、山が日常的すぎて「富士山に行きたい!」と思ったことすらないほど、山には興味がなく。

そんな私が人生で一番圧倒されたのがこのマッターホルン!!!

こんなにも魅了されるとは想像もしていなくて、普段写真はあまり撮らないのに200枚以上撮っていました。

晴れ、曇り、雨、全部を経験して、マッターホルンの印象もそれぞれ違っていました。

この記事ではまず、雲にかかっていてもなお幻想的なマッターホルンの魅力をお届けします

地元そっくり!北イタリアからツェルマットまでの道のり

ストレーザからはバスと電車を2回乗り継ぎ、周辺の景色も楽しみたいということで、約4時間かけてツェルマットへ。

ストレーザの駅が工事中で使用できなかったため、代替手段として無料で出ていたバスで一旦ドモドッソラ(Domodossola)まで行きました。

ドモドッソラで少し街探索をした後、電車でBrigという駅へ向かい、そこでツェルマット(Zermatt)行きの電車へ乗り換えました。

乗り換え地、ドモドッソラでぶらり街歩き

ドモドッソラの街並み

山に囲まれた、イタリアにしては(笑)静かで穏やかな町でした。

ドモドッソラの街並み

記事を書くにあたり改めて写真を見返して、あまりの静けさに「日曜日に行ったっけ?」と思ったけどこの町を訪れたのは水曜日…ど平日。

そういや街中の服屋さんでも閉まっているお店があったりして、行ったのがちょうど12時過ぎとかだったから、レストラン以外のお店はランチ休憩だったのかも?

ドモドッソラの街並み

Ristorante con camere La Meridianaというお店で、こちらのシーフードをいただきました!

シーフードグリル7種盛り

注文取ってくれたスタッフさんが70代くらいのおじいさんで、英語で話しかけてくれて英語のメニューも持ってきてくれて、大都市じゃないのにすごい!と驚きながらもほっこりしました。

日本やったらちょっと田舎行ったら親世代でも英語で接客できる人少なさそう…知らんけど。

いよいよツェルマットへ!電車の予約について

腹ごしらえも完了して、いよいよ電車へ乗車!

スイスへ向かう電車はSBB Mobileのアプリを通じてすべて予約しました。

電車を予約する前に購入したのはスイスハーフフェアカード

スイス国内の登山鉄道やケーブルカーの運賃が半額になる、魔法のようなカードです。

ハーフフェアカードだけではなく、トラベルパスなど他にもお得になる交通カードがあります。

どれが一番お得になるかは…

  1. 行きたいところを全てピックアップ
  2. そこに行くまでの電車、ケーブルカー等の通常運賃を調べる
  3. その合計金額を出して、ハーフフェアカードやトラベルパスを使って購入した際の料金と比較する

この手順で調べて、一番お得なカードを購入するのがベスト!

私の場合は…

  1. ドモドッソラからツェルマットまでの電車
  2. ズンネッガ展望台ケーブルカー往復
  3. ゴルナーグラード展望台登山鉄道往復
  4. ツェルマットからジュネーブ市内までの電車
  5. ジュネーブ市内からジュネーブ空港までの電車

これらの通常運賃を調べて、最初から購入したいなと思っていた「ハーフフェアカード」を使用した場合の料金を計算して比較。(chatGPT使用)

比較してハーフフェアカードを使った方がお得!ってことが分かったので、ハーフフェアカードの購入を決めました。

懐かしさを感じた車窓からのスイスの山の景色

Brigからの電車はパノラマになっていて、広くて明るく綺麗な車内でした。

BrigからZermatt行きの電車内

外の景色がめちゃくちゃ綺麗に見えます!

Zermatt行きの電車の車窓

電車やバス、飛行機に乗っていても一睡もせずスマホもいじらず、外の景色だけを見ていたい私にとっては最高の電車。

座席にはこんな案内板も。

ツェルマット行きの電車内

ツェルマットが近づくにつれて、だんだん緑が増え、建物も木造のものが増えていきました。

アルプス周辺の景色

それと同時に「初めて来たのに見たことあるような景色」も不思議と増えてきて。

「え、まってまって。急に地元にワープした???」ってくらい類似していた景色がこちら。

アルプス周辺の景色

みなさんにとっては「何気ない山の景色の景色で、川の流れすごいなー」ってくらいだと思うんですが、この景色、ほんっっっっっまに地元そっくりなんです!!!!!

家族にも地元の友達にも「いや、あそこの景色やん!」「ここ〇〇(地元)って言われても疑わんくらい一緒やん(笑)」ってなるくらい。

最終的には「私らスイス住んでたようなもんやな」という結論に(笑)

スイスのアルプス周辺の車窓からの景色

この景色も奈良で何回も見たことあるような気さえしました。

ツェルマット到着!人生初の山麓の町を満喫

車窓からの景色が地元そっくりで舞い上がっているうちに、いつの間にかツェルマット到着。

暖かみのある部屋で癒されたホテルステイ

ツェルマット到着後は、ホテルへ直行しました。

部屋には、テーブルとイスが置いてあるバルコニーもあって、奥行きのある山脈の景色がめちゃくちゃ綺麗。

ツェルマットのホテルからの景色

部屋のデザインは木がメインで使われていて、柔らかい雰囲気でとても落ち着きました。

ホテルの部屋
ホテルの部屋

このホテル予約時、ちょっとしたやらかしが…

マッターホルンを見に行きたいと思っていたものの、ツェルマット内のホテルが高くて、ひとり旅で行くにはちょっとな~と渋っていました。

中心地に近く割と安価なホテル(それでも1泊£170とか)をお気に入りに入れていたものの、予約する手はなかなか進まず。

どうしよっかな~~~って悩みながらホテルを見ていると、間違えてホテルを予約!!!

一気に£350の支払がされ、しかも返金不可のプラン!!!ほんで朝食付き!!!

「え、待って待って待って…」って焦ったけど、焦ったまま仕事のランチタイム終了。

返金不可のプランだったため、もう行くしかなくフライトも確保。

このホテル予約のプチトラブルがあったおかげでツェルマットに来れて、マッターホルンも見れて、素敵なホテルに滞在することができたので、オールオッケー!

Hotel Arca & Solebad : 詳細はこちらをチェック
スパもあったけど、私が行ったとき誰一人お客さんが居なくて「え?これほんまに入っていいやつ?」と不安になり断念。私の代わりに誰か行ってきてください!

1日目:夕方到着→曇りのツェルマットを街歩き

ここはツェルマットの駅。木造の建物と赤い花の組み合わせが素敵でした。

ツェルマット駅

ツェルマットでは環境保全の観点から、1960年代後半よりガソリン車が禁止されています。

その代わりに馬車や小さい電気自動車が走っていて、空気もその分澄んでいて綺麗。

ツェルマットの街並み

どこを見ても窓辺に赤やピンクのお花が飾られていてうっとり。

ツェルマットの街並み

建物のデザインが統一されていて、ヨーロッパの山麓の町の魅力にここでドはまり。

街中を歩いている人の格好を見てみると、バックパックで来ている方がほとんどで、服装もハイキング用のウインドブレーカーやパンツをはいている方が多かったです。

「みんなこのマッターホルンのために、この街に来ているんだ」

と、ここにいる人たちがこの街に来る目的が、鑑賞のため、ハイキングのためであれ「マッターホルン」のために集まっていることが、興味深いなと感じました。

海辺だと騒がしい人もいたりして開放的な気分になる人も多いけど、ツェルマットはみんな落ち着いていて、でも内側に熱い思いを秘めているような、そんな雰囲気を感じ取れてとても居心地が良かったです。

2日目|雲隠れの幻想的なマッターホルン

2日目はあいにくの雨でした。

ホテルからの雨景色なスイスの山

この前にイタリアに行っていたということもあり、春服(薄手のニット、デニムジャケット、夏でも涼しいパンツ)しか持ってきてなかったんですが、雨が降るマッターホルンは激寒!!!

「スイスは物価高いからレストラン行く回数最低限にして、ご飯もスーパーで買うぞ!」という決意もあっけなく散り…。

The North Faceで靴下、Mammutでパンツ、モンベルでカーディガン、と全身一式購入しました😂

モンベルでは店内のお客さんの9.9割が日本人観光客。

日本人じゃない店員さんですら日本語で接客されていたほどだったので、常日頃から日本人多いんだな~と驚きました。

寒さ対策をバッチリして、街歩きをしていくと突如羊が。

ツェルマットの町にいた羊

雨が降っていても山の景色を見ると落ち着くのは変わらず。

ツェルマットの雨天の山の景色

この山のなだらかな感じ・高さ・木々の緑色とか、実家の近くの山に本当にそっくり!

ここに来るまでの電車の車窓からの景色の後のこれなので「私の地元ってスイスやったんや…」と気付きました(違)

雨天だったので川の増水具合がすんごかった。

でもうっすら雲がかっている山も、現実とは思えない天の上の景色のようで素敵でした。

雲がかったツェルマットの町

ツェルマットは日本の富士河口湖町と姉妹都市だそうで、記念碑もありました。

ツェルマットと富士河口湖姉妹都市記念碑

あとは、京都ツェルマット会との友好記念碑も。

ツェルマット・京都ツェルマット会友好記念碑

日本から遠く離れた国で、日本との繋がりを感じられると嬉しいですね。

街を探索している間にマッターホルン見えるようになってるかな~と少し期待していたら…

雲隠れのマッターホルン

ほんの微かだけど見える…!もうちょっとなのに~!とじらされているような気持ちに。

雲越しではあったけど「確かにマッターホルンはここにあるんだ!」って感じられた瞬間でもありました。

ケーブルカーで3分!標高2,288mのズンネッガ展望台

そのあとはめちゃくちゃ曇り&雨の中、ズンネッガ展望台へ。

その展望台からはハイキングもできたんですが、結構な悪天候だったのでスタッフさんに「展望台行くだけやんな?ハイキングするつもりちゃうやんな?道、閉まってるで」と念押しされ、展望台だけを見に行くことに。

展望台まではケーブルカーでほんの数分!

トンネルの中を一気に登っていくので、どんだけ上に行っているかもわからんような状況。

どんな景色が待ってるんやろ~!と少しの期待を胸に外へ出てみると…

ズンネッガ展望台

見渡す限りごっっっつい雲!!!笑

ここに登ったのは13時を過ぎた頃。

連休のたびに山に行く弟に「山の天気は変わりやすいから朝早い時間に行った方がええで」と、ここに上ってからアドバイスをもらいました(笑)

でも、これはこれで思い出に残って良かったって今では思います。

ズンネッガ展望台

曇りでもこのピンクのお花が綺麗でちょっとした癒しに。

雨宿りも兼ねて、展望台のレストランでひとまず腹ごしらえ。

スイスの伝統料理、レシュティを!山岳レストランの基本メニューらしい。

このレストランも木造の建物で、内装も温かみを感じて可愛らしかったです。

ズンネッガ展望台のレストラン

レストランではマッターホルンがちょうど見えそうな窓際の席へ。見えそうで見えない!

ズンネッガ展望台から見えた雲隠れのマッターホルン

もうちょいで見えそうやん?と思って外のベンチで待っていると…

ズンネッガ展望台からのマッターホルン

さっきよりも雲にかかってるけど、山頂はもうすぐ見えそう⁉とワクワク。

まるで山の神様に「マッターホルン、そんな簡単には見せませんよ」と言われているよう。

展望台の周辺の雲は晴れてきて、晴天の日には運が良ければ逆さマッターホルンが見られるというライゼーも姿を現しました。

ライゼー

山の上の方は雲で覆われているので、湖には何も映っていない…でも微かに雲かかっている感じが神聖で綺麗。

こんだけ晴れてきたら、もうそろそろマッターホルンも見えるんちゃう⁉と思って、見てみると…

ズンネッガ展望台からのマッターホルン

そしてものの数分後に…

ズンネッガ展望台からの完全に雲に覆われたマッターホルン

さらに雲覆われてしまいました…。

この翌日は晴れ予報だったので、ズンネッガ展望台はこれにて退散。

ズンネッガ展望台は標高2,288m。

私は高山病のような症状は出ませんでしたが、この標高を一気に3分でケーブルカーで登っていくので、体調を万全にしていってください~!

ズンネッガ展望台のケーブルカーの駅

突如雲が薄まった、夕焼けのマッターホルン

「山は早起きで」という教訓を弟にもらい、翌日は早起きしてマッターホルン登ろうと決意し、早めにホテルへ戻りました。

シャワーも入り終わって髪の毛を乾かして、あとはストレッチして寝るだけ~となっていた夜8時。

外をふと見ると、、、昼間のあの分厚い雲がなくなっている!!!!!

ということで、パジャマの上から外出着を着て、どずっぴんメガネにキャップをかぶって、スマホだけを握りしめて外へ。

ホテルと出るとすぐに見えたのがこの景色!

マッターホルンと夕焼け

見える~!!!と大興奮!!!

マッターホルンの夕焼け

夕焼けにうっすら雲がかかっていることで、一層神秘的な印象に。

もうちょいで全貌見えるかな…⁉と思ったものの、名峰マッターホルン、簡単には姿を見せてはくれません。

夜のマッターホルン

この「雲隠れ」なマッターホルンを見て、百人一首の紫式部のある歌を思い出しました。

巡りあひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の月かな 

この歌の現代語訳は、

せっかく久しぶりに逢えたのに、それが貴女だと分かるかどうかのわずかな間にあわただしく帰ってしまわれた。
まるで雲間にさっと隠れてしまう夜半の月のように。

(おかきで有名な小倉山荘のこちらのサイトを引用)

まさに「もう見えそう!」と思ったのも束の間、あっという間に雲に隠れてしまったマッターホルンを惜しむ私の気持ちそのもの。

2024年9月に感じた思いを、千年以上も前に作られた歌で表現できるなんて感慨深い。

人間の本質ってどれだけ時が経っても変わらないのかなと、ふと思った出来事でした。

まとめ

最初の2日間は残念ながら、マッターホルンの全貌を拝めることはできませんでした。

でも雲隠れなマッターホルンも幻想的で、ずっと見ていたい気持ちで溢れていて。

出来るだけ近くに感じていたくて、あのダダ曇りだった展望台から下りるのでさえもとても惜しい気持ちに。

曇りでもこんなに引き込まれたのに、晴れの日のマッターホルンを見た私はどうなることやら…(笑)

次回、待ち望んだ晴天のマッターホルンをお届け!お楽しみに~!

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