こんにちは!YMSビザ(ワーホリと似た制度)でロンドンで暮らしているRukaです。
前回の記事では、ギリシャで「旅の区切り」を感じたエピソードを綴りました。
その「区切り」のきっかけとなったのが、メテオラでの経験です。
以前の私だったら恐怖で途中で断念していたか、そもそも挑戦すらしなかっただろうことにトライしました。
それに向き合い、自分の中の無意識に作っていた「心のバリア」からも解放され、すっきりした気分に。
メテオラへ訪れる前の心境から、それを乗り越えた後までの内面の変化を6つに分けて綴っていきます。
- メテオラとはどんな場所?
- 「恐怖」を感じていたのにそれでも挑戦した理由
- 「昔の自分だったら無理だったのに」と気づいた瞬間
- 怖くなかった時の自分の内側
- この経験を通して「卒業」したこと
- 恐れと向き合った私ができるようになったこと
この記録が誰かの「苦手」「恐怖」をほどくきっかけになりますように。
メテオラとはどんな場所?
ユネスコ世界遺産にも登録されている、複数の修道院が崖の上に建てられているメテオラ修道院群のことを指します。
「メテオラ」とはギリシャ語の「宙に浮かぶ」という単語が語源となっており、俗世との関わりを立つためにこの崖の上に修道院を建てたそう。
現在は「共同体」として活動していますが、当時はハーミット(隠者)として単独の修行僧が多かったそうです。
写真の通り、地形はとても不思議で。

数千年前の岩が隆起し、それが侵食されたことでこのような形になったみたいで、9世紀にはもうすでに修道士が住み着いていたらしい、、、
9世紀は、日本ではちょうど平安時代。
多くの貴族たちが和歌を詠んでいた頃、ギリシャの断崖では修道士たちが孤独の中で修行に勤しんでいた…と考えるととても興味深かったです。
同じ時代、同じ空の下、場所が違えば「生きる」ことがこんなにも違ったんだと少し衝撃を受けました。
現在は6つの修道院があり、一番古いもので14世紀、新しいものでも16世紀に建てられたものがあります。
こんな山奥ではあったものの修道院までの道は整備されていて、大型観光バスでも問題なく出入りしていました。

ど平日でも観光客はかなり多く、この圧巻の景色、歴史ある修道院群に魅了される人は後を絶たないのが納得の美しさ。
修道士たちが俗世から離れるために住み着いたという、私が苦手な「高所×孤立感×閉塞感」のトリプルコンボなこの場所。
行く前に歴史をチラッと調べ、その「孤立感」に絶対無理やん!苦手やん!と不安になり、日本の家族に「どうしよう」と弱音を吐いていたくらいでした(笑)
メテオラの場所はこちらのリンクよりチェック✅
「恐怖」を感じていたのに、それでも挑戦した理由

怖いって感じそうって思っていたにもかかわらず挑戦したのは「向き合うべき壁(恐れ・苦手)なんだろうな」と感じたからです。
今までの旅で恐怖をすごく感じたのは、ブリストルのカボットタワー、フィレンツェのジョットの鐘楼、そしてモンサンミッシェル。
カボットタワーとジョットの鐘楼は細長い建物で「途中までは行けそう~!」と階段を上がっていったんですが、8分目くらいのところで足がすくみ始めました。

「ちょ、無理やわ。降りるわ!」と友人を置いて、そそくさと下へ。
そんな事ほぼ起こりえないだろうけど、細長くて高いと「何かの拍子で倒れそう」と思ってしまって、いつも途中で断念。
一方モンサンミッシェルは高台ではあるけど「しっかりとした建物で大きいから大丈夫だろう!」と思ってたんですが、、、
建物に入った瞬間から「なんか怖い」って感じ始めました。

その後、歩みを進めるにつれて建物内の「ダークな部分」を感じ取り、恐怖がだんだん増してきて「めっちゃ怖い。早くここから出たい」とすんごい早足に回っていました。
ある時期は監獄として使われており、かつては干潮の時にしか訪れられなかった修道院。
その「孤立感・閉塞感」に感情をかなり揺さぶられました。
「高所・閉塞感・孤立感」に恐怖を覚えるということを分かり切っていたのにも関わらず、同じ要素を持つメテオラに訪れる機会がやってきたんです。

今まで途中で諦めたような場所にまた行くことになる…。怖いって感じるの分かってるけど、何回もその機会がやってくるってことは、多分これは「正面から向き合わないといけないこと」なんだろうな
とその恐怖を受け入れて、挑戦することにしました。
「昔の自分だったら無理だったのに」と気づいた瞬間

一つ目の修道院に行ったときに「あれ、怖くないかも」と気付きました。
修道院までズンズン山をバスで進んでいき、修道院の麓ですらも結構高所。
修道院までは階段を更に登っていき、短い吊り橋を渡って行きました。
吊り橋なんて揺れるものめちゃくちゃ苦手なのに、それも問題なくクリア。
修道院自体も細長く閉所だったので、昔の私だったら「修道院自体には入らず、景色見てそのまますぐ降りて行ってた」はず。
それが、そこから見える景色がとても開放的だったからか、吊り橋を渡れたことで「怖くない」っていうマインドがインプットされたのか、中にも入れて恐怖は1ミリも感じませんでした。
行く前までは「怖かったら無理せず下からの景色を眺めとこ。」って思っていたのが見事に覆され、回った修道院全てに「恐怖を一切感じず」入ることができたんです。
怖くなかった時の自分の内側
何か特定の感情が渦巻いていたというよりかは、ニュートラルで落ち着いた気持ちでした。
恐怖や虚無感といった感情も湧き上がってこなかったし、ドキドキやワクワクという興奮や刺激が出てきたわけでもなく。
「私意外といけるやん!」と思いながら、壮大な景色を楽しんでいました。
ジョットの鐘楼を途中で諦めた無念や、モンサンミッシェルで「前世でここ閉じ込められてた?」レベルで感情を引きずられまくった過去の思い込みからも卒業!
「これを乗り越えた私すごい!やればできるやん!私はもう大丈夫。」という自分に対する称賛と安堵を感じて、フラットな気持ちでいることができました。
この経験を通して「卒業」したこと
「苦手・恐れ=拒絶」のループから卒業できました。
無意識のうちに自分を縛っていた恐怖から解放され、心の鎖が全部外れた気分です。
「しんどくなりそうだからやめておこう」「前もこんな場所で恐怖感じたし、今回も避けよう」と思いがちだったのが、それをもう「恐怖=拒絶」にせず、受け入れて挑戦できるようになりました。
感情面で「過去の自分」と「今の自分」を切り離すことで、「私はもう大丈夫。」と恐怖を感じていた過去の自分に言ってあげられるようなフェーズに。
私はロンドンに来たことで、同調圧力や社会のこうあるべき、暗黙の了解から逃れることができ、精神的に自由になったと思っていました。
でも、今回のこの経験で「トラウマからの解放」を経験したことで、本当の意味で「精神的自由」になれたと感じています。
恐れと向き合った私ができるようになったこと

今まで苦手と思い込んで避けていた場所に行けるようになりました!
具体的には、戦争もの。
戦争ものを見るとしんどくなる気がして、それ関連のものは避けていました。
それが、このメテオラを経験した後に「良かったよ!ホロコーストギャラリーもあった。見るもの多すぎて、私は2回に分けて行った」という友人の話を聞き、「私も行こうかな」とふと感じて、その話を聞いた翌週に行くことに。
行ってみると想像していた何倍も楽しめた自分にびっくり!
特に一番興味をひかれたのは「ホロコーストギャラリー」
しんどくなってすぐに出てしまうことになりそう…って心づもりしていたものの、まさかの1時間半~2時間くらい過ごしていました。
モンサンミッシェルでは「前世で塔とか暗がりなところに絶対閉じ込められてたわ」ってくらい感情を揺さぶられて、恐怖を感じていたけど、ここでは自分の感情が引きずられることがありませんでした。
もちろん、とても悲しい歴史で非人道的行為に怒りと悲しみは感じました。
でも感情移入しすぎず、「知識」として自分の中に取り入れられたような感覚に。
「苦手」と感じていた場所に、早速踏み入れることができ、アウシュビッツにも行こうかと計画中です。
まとめ

昔の私だったら行く選択をしなかったか、途中で断念していたかのどちらかだった「高所」
ロンドン生活始まってからの旅でも覚えているもので、途中で断念or行ききったけど恐怖すぎて駆け足だった場所が3か所も。
複数そのような経験があったのに、また同じような「高所×閉所×孤立感」のトリプルコンボへ行く機会がやってきて「またかい…これ逃げずに正面からちゃんと向き合うまで、ずっと付きまとわれそう」と感じました(笑)
「もうこれから逃げたらあかんってことね!」と受け入れて行ったら「意外といけるやん」と拍子抜け。
その「拍子抜け」のおかげで「恐怖・苦手=拒絶」という過去の自分のトラウマ・ループからも解放されました。
そして早速、以前からずっと避けていた博物館にも行けて「意外と楽しめた」経験も。
一度乗り越えると、次の1歩も踏み出しやすくなる。
YMSで初の海外生活挑戦時にもめちゃくちゃ実感できたこの言葉が、次の人生のフェーズに行こうとしている私にもう一度やってきました。
「繰り返し心の鎖を外していくことで、人は成長していく」と改めて気づかされた大切な出来事。
ほんの小さなことでも「苦手なこと」「避けていたこと」を挑戦してみると、チリツモで成功体験を得られて、できることがだんだん増えていきます。
苦手なご飯食べてみる、とかそのレベルでもOK!ちなみに私はロンドンへ来て、トマト食べられるようになりました(笑)
挑戦しやすいものからやってみて、恐れや苦手をひとつずつほどいていきましょう。
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